STORY
演出家のマヌエルが次に考えている舞台は、ミュージカルを作るためのミュージカル。構想からキャスティング、完成までを描くには、振付師が不可欠だった。彼は元妻であり女優で著名な振付師のサラに助けを求める。ただ、マヌエルが書く脚本の中で、サラは交通事故にあい車椅子になった振付師だ。引き受けたサラが主導するキャスティングでは、何とかオーディションに受かろうとする若者たちの緊張感と競争心、そこから頭角を表す男女3人が生き生きと描かれる。その中の一人、イネスは父親と地元ギャングとの対立を心配しながら稽古に励む。メキシコの過去と現在を繋ぐために、独自の舞台を作ろうとする演出陣。数々の力強い伝統音楽がダンスとコラボレーションする中で、悲劇と虚構と現実が交錯する物語が生まれる。