ABOUT VIVA SAURA!
スペインで50あまりの作品を撮り続けたカルロス・サウラ監督が、91歳で亡くなったのは、2023年2月10日。ゴヤ賞栄誉賞を受賞する前日のことでした。日本では、『カルメン』『血の婚礼』『フラメンコ』などと共に『カラスの飼育』や『歌姫カルメーラ』『タンゴ』『サロメ』から2016年のホタ(JOTA)のドキュメンタリー『J:ビヨンドフラメンコ』まで、数々の作品が公開されてきましたが、晩年は短編やドキュメンタリー、オペラや舞台の演出にも活動の場を広げ、メキシコで撮影された『情熱の王国』(2021)が最後の劇映画、そして、監督自らが出演するドキュメンタリー『壁は語る』(2022)が遺作となりました。
この2本のことを知ったのは2023年の3月に行ったマラガ映画祭。きっと、日本で公開されるに違いない!という思惑が外れ、ならば、せめて追悼のために公開せねば、と思ったのが、この企画の発端です。
「過去を反芻するより、未来を考えることに時間を使いたい」と言い続けていた監督の最後の2本を上映することで、今一度、カルロス・サウラ監督とその生き方を再発見したい!と思います。
DIRECTOR
CARLOS SAURA
カルロス・サウラ
本名:カルロス・サウラ・アタレス
生年月日:1932年1月4日 ウエスカ生まれ
没:2023年2月10日 マドリード
4歳の時にスペイン内戦(1936-39)がはじまり、共和国派地域のマドリード、バルセロナ、バレンシアを転々とする。ピアニストの母と画家の兄の影響で芸術に興味を示し、高校の頃から写真、1950年から16mmで映像を撮り始める。1952年、IIEC(現在の国立映画学校)に入学。1958年からIIECで映画美術の教鞭に立つがフランコ政権の検閲に反対して1963年に解任。1958年に短編ドキュメンタリー「Cuenca」(クエンカ)でサンセバスチャン映画祭、短編部門特別賞を受賞。長編デビュー作「Los Golfos」(ならず者たち)は1960年のカンヌ映画祭に正式出品され、1965年、「La Caza」(狩り)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。その後、ほぼ年に1本のペースで作品を発表し、フランコ政権が終わりを迎えた翌年、ビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』から2年後のアナ・トレントが主演した『カラスの飼育』(1976)が、カンヌ映画祭審査員グランプリ、ゴールデン・グローブ賞にもノミネート。「Mamá cumple cien años」(ママは百歳|1979)で米国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことで、世界に名が知られた。作品は物語から音楽映画まで多岐に渡るが、日本で初めて劇場公開されたのは1983年、フラメンコのアントニオ・ガデスとタッグを組み、米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『カルメン』。1991年からオペラや舞台の演出も手がけ、2023年「サウラによるロルカ」舞台稽古中に体調を崩し2月10日、呼吸不全で家族に見守られながら息を引き取った。最後に「充実したいい人生だった」とつぶやいたという。 2023年2月11日のゴヤ賞で栄誉賞を受賞。
フィルモグラフィー
これまでに日本で公開されたサウラ監督作品(制作年/日本公開年)
『カルメン』(1983/1983)
カンヌ国際映画祭技術グランプリ受賞
米アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
『血の婚礼』(1981/1985)
カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
『恋は魔術師』(1986/1987)
『カラスの飼育』(1975/1987)
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ
『エル・ドラド』(1988/1989)
カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
『歌姫カルメーラ』(1990/1992)
『愛よりも非情』(1993/1995)
ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品
『フラメンコ』(1995/1996)
『タクシー』(1997/1997)
『タンゴ』(1998/1999)
『サロメ』(2002/2003)
『イベリア 魂のフラメンコ』(2005/2006)
『ドン・ジョバンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』(2009/2010)
『フラメンコ・フラメンコ』(2010/2010)
『J:ビヨンド・フラメンコ』(2016/2016)
『ブニュエル〜ソロモン王の秘宝』(2001/2020)『サウラ家の人々』特集上映