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ロベルト・ボラーニョ「2666」(読書中)

みなさま、大変、ごぶさたしております。ただいま、アトランタでブエノスアイレス行きを待っておるvagabundaです。
更新をしていない言い訳をする(誰に?)にも、時がたちすぎました。とほほ。
 毎年、恒例のVentatna Surという南米最大のフィルムマーケットに参加するためにアトランタではほぼ6時間待ち。新しい施設のせいか、いつもなら、何の問題もないメールが使えない!接続できない!ということで、ブログを書くことにしました。(ネットにつながっているのに、メールサーバーにアクセスできないなんてね。何がどうなっているのか良く分からない~)
 さて、長きに渡ってブログ更新できなかったのは、ひとえにロベルト・ボラーニョの「2666」を読み始めたからに他ならない。(と、人のせいにする)なぜなら、わたくし、文字通り寝食忘れ、仕事も忘れて、どっぷりつかってしまったからです。これは、オースターの「ムーンパレス」以来かもしれない。でも、それでも、まだ足りない。
 今日、このメールが通じない時間で一気に書こうと思ったのも、あと最終章ですべてが終わる(?ほんとに終わるのかどうか?)直前だから…。そうなのです、わたくし、まだ、読み終わっておらんのです。5章からなる、この壮大な物語の4章まで終わり、あと5章を残すのみなのです。
 みなさま、分厚いからといって敬遠するなかれ。これは、オモロいッ!
特にですね、メキシコ、中南米に関心がある方、映画好きな方には超おすすめ。知り合いのラテン系映画関係者は、すでに例外なく読んでいて、大絶賛。いま、日本語で読んでる、と言うと、え~~~っ?日本語で、あの言い回しどうするの?と驚いていましたが、そんなことは心配無用。全く3人の共訳だけれど、どこを誰が訳したか分からないほど章から章へスムーズに進み、何しろ、日本語が簡潔で美しい。いわゆる翻訳調というものがなくて、大胆でリズムがあり、そのまま、ナマのボラーニョを体験できる、って感じ。もう、これはボラーニョを愛する人々が労をいとわず、とことん向き合ったのだなあ、ということが行間からにじみ出てきます。
 
 映画好きの方は、ロバート・ロドリゲスやデビット・リンチに言及されるくだりだけでも読んでほしいです。特に、ボラーニョが権威をことごとく嫌っていることと、昔の映画館がシネコンに変わって、どれだけ眩惑がなくなったか、をさらりと地の文に入れていたりしますが、私は、そこにビビッ!ときて、付箋はりまくり。
 マイナーな作家、アルチンボルディの研究者(フランス、イギリス、スペイン、イタリア)4人が、アルチンボルディがいるかもと思って、メキシコ・フアレス(ここではサンタテレサ)に導かれ、女性連続殺人事件につながっていくのだけれど、各章は、一度、全く別世界にいってから始まる。けど、最後はみな、メキシコにつながるのだ、と思う、きっと。(最後まで読んでないからね)
 それは第3章ででてきたネットカフェの受付係のセリフから、そう思った
「メキシコは様々なものに捧げられたオマージュのコラージュ」ネットカフェの受付係が、そんなことを言うのか、という疑問をいだいた方は、ぜひ、メキシコへ行ってね。あ、キューバでもいいなあ、と考えればラテンアメリカのどこでもいい。そこでは、きっと、付箋貼りたくなるセリフが、そこここの街角で発せられているから。
あ、もう搭乗時間なので、今日は、ここまで。
ブエノスアイレスに着いたら、読む余裕はないだろうから、と今回は、飛行機の中で最終章に挑戦です。いつかわからないけれど、最後まで読んだら、まだ、感想を書きますね。
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