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シャキーラ他、アリゾナ州移民対策新法に抗議するアーチスト

日本では余り大々的に報道されていませんが、
アリゾナ州で新たな移民対策法が可決され、
波紋を呼んでおります。
これは連邦法ではなく州法というところがミソ。
外国人登録証やIDを常時携帯しなければならない、とか
住所が法的書類で証明されなければならない、とか
いろいろあるのですが、ターゲットの大半はヒスパニック
(特にメキシコ人)なのは明らか。
特にひどいのは、不法移民だという妥当な疑惑(?)が
あれば、誰にでも職務質問できる。その判断は、
兵士や警察に完全にゆだね、逮捕してもいい、ということ。
外からみて妥当な疑惑というと、肌の色とか
服装とかか…。
つまり、白人で金持ち以外の居住者たち全員が
犯罪者として扱われる可能性があるということだ。
アメリカの市民権や国籍を持つラテン系、アジア系、
アフリカ系の人々への職務質問だって横行する。
そのことから、この新法を「人種差別法」と
呼ぶメディアもある。
日本で“不法”と聞くと、「だからじゃん」と
思われがちだけれど、米国に住む不法移民たちは
働いて税金を納めてる。私が居た頃(昔だけど)は、
7年間住み続ければ市民権を得られた(今もそうなのか?)ので、
“もぐる”(7年間低賃金で税金だけ払って権利なし)
日本人も多かった。
つまり、米国では友人や親類を頼って、同居しつつ
仕事を探して、金をためてアパートを借りる、
ということが可能なのだ。
だから国境を渡らせることを商売にしている
「コヨーテ」たちがいる。
ひとり2,000ドルぐらいで、リオ・グランデを
渡らせるのだが、女性はレイプされても
何も言えないし、男性だって殺されても
身元が分からない。
国境付近は、利権争いでうごめいている。
すべては“金”の世界。
そして、そういう不法移民を安い賃金で
使っているのが工場や農場。
最低賃金にも満たない日給で働かせる。
そうしながら家族を持ち、子供をつくり、
何十年もかけて合法的に定住できるようになった人々は、
親戚や友人を助けるために部屋を貸したり、
同居させたり。
今回は不法移民に手を貸した人も罪になる。
これはメキシコだけではなく、日本人だって
中国人だって同じ。不法労働でも税金は
とられる。ロスでは、偽MICA(グリーンカード)が
公然と売買されている。それが現状だ。
でも、こうして膨れ上がったヒスパニック人口は、
キューバ移民とともに今や大票田。それとともに、
市民権をとるためや、貧困から軍隊に入隊する数は半端じゃない。
米国の底辺を支えているのが移民たちだ。
それに、米国は元々移民の国。
最初にやってきた白人たちも不法移民だろ、
自分たちは犯罪者ではなく、米国のために
貢献しているんだ!と訴えている。
そこでラテン系のアーチストや有名人たちが、
抗議に乗り出した。
ビルボードラティーノの会場では、この法律に反対する
ラテン系アーティストが続々。
シャキーラ(コロンビア出身)は、フェニックスまで出向き、
反対声明を出した。

また、メキシコ出身監督でカンヌ映画祭に
「Biutiful」を出品するアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥも
抗議を表明。Premier 記事(スペイン語)

5月2日には全米70都市で抗議行動が。

今後、オバマ大統領がどのように対処するかによって
政権をも揺るがす可能性がでてくるか、と。