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第5回スペイン・ラテンアメリカ映画祭で観た3作品

昨日で、スペイン・ラテンアメリカ映画祭は終了。
はやいなあ。イベントとかちあったため、
自らの目玉作品だけ観て終わった。
「法王のトイレット」
「トニー・マネロ」
「コカレロ」
(この先、内容も書いてます)

いやあ、「トニー・マネロ」さすがラライン監督、
ひと筋縄ではいきません。
コメディじゃなかったな、やっぱり。
上記2作は、ほんとに俳優陣がよかった。
法王のトイレット」のセサル・シャルローネ監督、
さすが、撮影監督兼任で自らカメラ回しただけあって、
夜と闇がすっごくよかった。
電灯ひとつない夜をあんな風にとれるなんて。
昔、メキシコにいたときに、電気がない村へいって
夜は、まったくの闇になのだけれど、
木々や雲が見えるんだなあ、と
感動したことがあった。
それをもう一度、映像で体験できるとは・・・。
物語もうまくいかないことだらけだけど、
最後に救いがあった。
「トニー・マネロ」は救いなしだぜ。
でも、この主人公、時代も国も違うけれど、
「低開発の記憶」のセルヒオとちょっと似ている。
女にもてるしね。でも、体制うんぬんの悩みじゃないけど。
夜は戒厳令がしかれて、軍があちこちパトロールする
サンティアゴ。反ピノチェト運動で、ダンスチームの
若者たちはビラまきやら活動しているのに、
「ものまねコンテスト」で勝つこと
すなわち、人生の目標って感じだったもんなあ。
そのために人殺すしね、何人も。
(そこがセルヒオとは違うけれど)
最初におばあさんを殺害したときに
夫が軍人だったからテレビをもらった、
と言っていたので、
「おお、こいつは反ピノチェトか」と
思ったら、次に狙ったやつは、
反ピノチェトのビラを大量に持っていた。
「え?ってことは、ほんとにあの食堂の
床にガラス敷いて、照明いれるために
殺してたの?」
と、途中から、この不気味な男に釘付けになった。
若者がコンテストに出ようと
新調した真っ白なスーツにウ○コするし・・・。
38歳(セルヒオ)どころじゃなくて、
この人、ラウルは52歳なんですけど・・・。
テレビの物まねコンテストで
真面目にナイトフィーバーして
接戦だったのに、負けちまう。
優勝者と同じバスに乗ったあと、
最後のどアップ!
「これから何する気だ~」ってところで終わる。
ああ、もっとみたかった。
ラライン監督はとことんまでいくのね、と
再認識。
「コカレロ」は、カメラがゆれるもんで
(追っているから仕方ないけれど)
ちょっと船酔い状態。
今や、ちょっとやせてしまったエボ・モラレス。
野党が呼びかける暴動で、衝突が激化している
ボリビア。15日に南米諸国連合が
大統領支持と野党に暴力停止を要求したけれど、
これからどうなるのか。
いろいろ考えさせられた3作品。
でも、地下鉄に乗る頃には、
なぜか「ポニョ」の主題歌が
頭の中について離れなかった。
あれはサブリミナル効果なのか・・・。