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第29回新ラテンアメリカ映画祭その4/受賞結果/長編フィクション

その4で、もう受賞結果?と言われそうですが(誰に?)
今年は、こんな作品が注目されました。
第29回映画祭紹介映像
今回は、カンヌで審査員賞を獲得した
カルロス・レイガダスの「Luz Silenciosa」が、
出品されたので、当初からみんな予想していて、
驚きはなかったです。
カルロス・レイガダスは、フランス在住の
メキシコ人監督。
カルロス
法学部卒業で、
ラグビーのメキシコ代表チームの選手だったり、
ブリュッセルのメキシコ大使館で仕事してたりと
監督としては異色で、今回が3本目の監督作品。
初監督作品「Japon」(2002)からカンヌの常連。
japon
「Japon」は、日本で権利を持っている方、
いらっしゃるのですが、未だ公開されていない。
長いし、難しいと思いますが、ぜひぜひ、公開してくださいまし~。
早くしないと権利が切れちゃうので。
という訳で、大賞から順に。
長編フィクション部門
Primer Premio (1位)
「Luz Silenciosa」Carlos Reygadas(メキシコ)
luz
予告編

Segundo Premio(2位)
「O ano em que meus pais saíram de férias」
(El año que mis padres salieron de vacaciones)
Cao Hamburguer(ブラジル)
O ano
予告編
Tercer Premio(3位)
「El otro」
Ariel Rotter (アルゼンチン=フランス=ドイツ)
otro
予告
う~ん、この3本とも今年のベルリン映画祭で
ノミネートされていて、「Luz Silenciosa」は、
ベルリンでも審査員賞を獲得。
「El Otro」は、最優秀男優賞を獲得しております。
「Luz Silenciosa」の予告編を観ていただけると
分かりますが、言語は、英語でもスペイン語でもなく、
「低地ドイツ語」と言われるPlautdietsch語
(あ~ん、発音わかりましぇん)
なんと、舞台は、メキシコ北部チワワ州で
小さなコミュニティを形成するメノナイト派の
人々の物語です。
日本にもあったのですね、メノナイト派
アメリカに移住し、その後、中南米へと
移住したロシアメノナイト派の人々が、
独自のドイツ語を守っているそうです。
その小さなコミュニティの中で、教えに反して、
ひとりの女性を愛してしまう夫であり父である
Johanという男性を描いた物語。
これまでのレイガダス作品同様、俳優を使わず、
現地の人々が演じています。
いやあ、メキシコは、奥が深いです。
2本目のブラジル映画
直訳すると「僕の両親が休暇に行った年」
el ano
舞台は、1970年のブラジル。
ワールドカップでブラジルが優勝を狙っていた年。
12歳の少年マウロは、優勝を心待ちにしていますが、
ブラジルは当時、軍事政権で両親が急に
「お父さんとお母さんは、バケーションに行くから、
おじいちゃんのところで待っててね」と、
マウロ少年をサン・パウロに連れて行きます。
もう、これでお話が分かっちゃうのですが、
両親がいなくなったあとのおじいちゃんと
マウロ少年、バリオの人々との交流と
ワールドカップの決勝戦への熱狂が
描かれます。
子供の目から描いた軍事政権のストーリーは、
アルゼンチン映画の「カムチャツカ」も
そうですが、個人的には涙なくして観られません。
もうボロボロ。また、子役がうまいんですよね、
ラテンアメリカは。
「El Otro」は、個人的には苦手な男性の自分探し。
2、3年まえに映画祭で似たような俳優とストーリーを
観た気がするのですが、また調べてから書き足します。
これから、まだ年賀状とメルマガを書かなきゃならないので、
今年は、この辺で。
また、来年、お会いしましょう。
皆さま、良いお年を!
QUE TENGAN FELIZ ANO NUEVO!!