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「瞳の奥の秘密」アカデミー賞外国語映画賞受賞

いやあ、とっちゃいましたね、「瞳の奥の秘密」
スペイン語公式サイト

Twitterでは、ハッシュタグ(#)までついて、盛り上がる
ラテンアメリカ映画界。#argentinaganaeloscar
「瞳の奥の秘密」予告編

アルゼンチン映画がアカデミー賞、外国語映画賞を
受賞するのは、1986年の「オフィシャル・ストーリー」以来。
「オフィシャル・ストーリー」は、軍事政権下に起こった
出来事を真っ向から告発する社会派ドラマ。
予告編(若き日のノルマ・アレアンドロ!)
監督はルイス・プエンソ。(ルシアの父ちゃん)

つい、これと比べてしまうからか、何だか疑問が残るのは
これまで日本では1本も商業公開されていない
フアン・ホセ・カンパネーラ監督は、
もっと前の作品で認められるべきだっただろ、と
思える気持ち悪さなのかも。
先ほどまで、アルゼンチンの映画関係者とも、
何が解せないのかねえ、とチャットしつつ、
(あちらは明け方)
互いに「そうだ!」と思ったのでした。
アルゼンチンがもっと監督を認めるべきだった!
だってね、「Hijo de la Novia」の頃は、まだ
アメリカが国際セールスについていて、オスカーに
ノミネートまでされたのに、その後、1本しか
撮れなかった(Luna de Avellaneda)なんてね、と。
まあ、だからこそ良かったのかもしれませんが、
でも授賞するとは思っていなかった。
多分、「White Ribbon」か「Un prophète」か、
はたまた、もし万が一あるとしたら「Teta Asustada」?という予想。
だってその前に不穏(?)な空気が流れたいたから。
「瞳の奥の秘密」は、アルゼンチン映画、と言われるけど
去年のスペイン映画祭でも上映されたように、
ゴヤ賞でも作品賞と外国映画賞(スペイン以外のスペイン語映画)の
奇妙なダブルノミネート。
結局、外国映画賞を受賞しましたが、監督も俳優も
舞台もアルゼンチンなのに、なぜ?という疑問が
起こりました。
資金がスペインから出ていることもあるのですが、
今回は、スペイン金融公庫(Instituto de Credito Oficial)からの
資金調達もあったので、スペイン映画じゃ、ということにも
なっているのかもねえ、と。
アルゼンチンのアカデミー賞では13部門受賞、クラリン賞も9部門と
という勢い。
なんか覇権争い、してない?
ま、監督のこれまでの業績をみると
ここで、ど~ん!と、という感じもあるのでしょうが、
私も大ファンのアメリカのテレビドラマ「Law & Order:
犯罪心理捜査班」の数エピソードを監督したりとか、
映画だけでは、中々生きて行けないというのが、ちと悲しい。
今回は国際セールスがアメリカからスペインに移って
思い切り力を入れたこともつながったのかも。
カンパネーラ監督作品の予告編
2001年「Hijo de la Novia」(アカデミー賞にノミネート)
これは一言では説明できませんが、認知症の母ともう一度
結婚式をあげたい、と言い出した父。後を継いだ店の経営で
四苦八苦のバツイチ40歳息子は…。キーワードは「ポルボロネス」
(口に入れるととける小さなクッキー)

1999年「El Mismo Amor, La Misma Lluvia」
80年代の社会情勢を背景に1組のカップルを描いた作品。
リカルド・ダリンが若い!

2004年「Luna de Avellaneda」
労働者たちのアベジャネーダ地区にあるスポーツ・クラブ
(といっても体育館みたいなとこでミロンガとか盛大にやるのだけど)が
閉鎖の危機に追い込まれるのだが…という笑いながら涙流すぜ映画

リカルド・ダリンがこれで有名になってくれれば嬉しい。
今回は監督自らがエグゼクティブ・プロデューサーだし、
5年振りの本編ということなので、
やっぱり嬉しいよね、ということになるのですが
こうなったら、ぜひ、日本で商業公開していただきたい!!
とまあ、これで気が済んだ。
こんなこと書いていないで仕事しなきゃ!!!
☆なんと!「瞳の奥の秘密」は、急遽、年内にシャンテにて公開決定!!